「私ね、渚にプレゼント用意してきたの」

マフラーなんだけど……。と紙袋の中から包みを取り出そうとすると、「え、マジ……?」と少し驚いたような声がした。


「俺もプレゼント用意してきたんだけど……」


開けてみて。と言われたのでしゅるりとリボンを解いてみると、そこに包まれていたのは、赤地にミルクのような白いラインが入ってるチェック柄のマフラーだった。


「被ってる……」

私もマフラー。渚もマフラー。

どうやら、考えていたことは同じだったらしい。


ふわりと、首元に暖かい感触が触れて、見ると渚が私の首にマフラーを巻こうとしていた。


ちょっとぎこちない手つきだったけれど、一分もかからずに巻き終わり、首元がふわふわと心地いい。


さっきまでラッピングされていたマフラーを手に、私も渚の首に腕を回してマフラーをまきつける。


男の子の首にマフラーを巻くなんて経験は初めてで、否応なしに体が密着してしまうのが恥ずかしくて、だけどもっとくっついていたいとさえ思ってしまって、わざと時間をかけてマフラーを結んだ。