久遠の果てで、あの約束を。

クリスマス当日。



服装も髪型もメイクもばっちりキメて、鞄の中に渚へのクリスマスプレゼントが入っていることを確認してから家を出る。

外は案の定、冷然とした風が容赦なく吹き抜けていたけれど、そんなことが気にならないくらいに気分が高揚していた。


やっと、外で渚に会える。


この日を、一体どれだけ待ち望んでいたことか。


だからなのか、ライブはただでさえ体力を消耗するにも関わらず、遠足の前の日の子供のようにはしゃいでしまい、全然寝つくことができなかった。

おまけに待ち合わせの三十分前に来てしまい、この寒い中何十分も待たされる羽目になってしまった。

特にすることもなかったので、ショーウィンドウで自分の姿を確認する。

ガラス越しに見たところ、おかしな点は見当たらない。服には汚れひとつついていないし、念入りに施したメイクは少しもよれていない。指先を彩るクリスマスネイルだって問題ない。


大丈夫、私は可愛い。自分を信じろ。


それでもまだ気持ちは落ち着かず、前髪をいじっている間も、スマホに視線を落としている間も、ずっと心はそわついていた。