久遠の果てで、あの約束を。

結局手編み案は廃案にして、今度は男性向けのセレクトショップに足を運ぶ。

一歩足を踏み入れた途端、とてつもない居心地の悪さが襲いかかってきた。



どうしよう。私、どう考えてもこのお店で浮いている。


他のお客さんは大人の男の人ばかりだし、売られているものもやたら高価そうなネクタイピンや万年筆だったり、いまいちよさがわからない洋服ばかりだ。値段は怖くて見ていないけれど、このまま知らないままでいたい。


滞在時間約二分。異様なレベルの気まずさに結局耐え切れず、さっさと逃げ出して次を探す。


その後も中々目当てのものが見つからなかったり、逆に品数が多過ぎて選べなかったり、見かねて声をかけてくれた店員さんにすら身構えてしまったりと、泣きたくなるような失態を繰り返しながら、迷子になった子供みたいに右往左往していた。