久遠の果てで、あの約束を。

そのお店は全国展開しているだけあって、そこに置かれているのは心惹かれる商品ばかりだったのだが、逆にそれが問題だった。


そう、男性向けの商品があまりにも少ないのだ。

マフラーも手袋も財布も腕時計もあるというのにも関わらず、どれもこれも女性向け。


確かに心は躍るけれど、私の心が躍ったところで意味はないのだ!


諦めて次のお店を探す。フロアマップを見ながら目ぼしいお店を探していると、とある手芸屋が目に映った。頭の中に、色とりどりの毛糸と金色のかぎ針が浮かぶ。

マフラーや手袋にするのなら自分で作るという手もあるのか。

編みものにはそこそこ自信があるし、むしろ手編みの方が理想通りのデザインにできる。


いやでも、彼女でもない女からの手作りプレゼントなんて、いくらなんでも重過ぎるのではないのだろうか。


昔何処かで聞いたことがある。どうでもいい女から貰う手作り弁当は、どんなに豪勢でもゴミと一緒だと。



もし渚にそんな風に思われてしまったら、どう二度と立ち直れないかもしれない。否、絶対に立ち直れない。