「そっかぁ、残念。じゃあ樹は? まぁ、どうせ誘わなくても勝手に来るんだろうけど」
「いや行くよ? 行くけどさ、言い方地味に酷くね?」
「気のせい気のせい。プレゼント交換するって言ってたから、忘れないでちゃんと持って来てよね。もし家に置き忘れでもしたら、その場で追い返してやるから」
「お、おぅ……」
夫婦漫才のように繰り広げられる会話を右から左に聞き流しながら、頭の中では全く別のことを考えていた。
渚へのクリスマスプレゼント、なににしよう。
今まで彼氏というものに無縁だった私は、男子にプレゼントを贈ったことなんてない。これがもし女子相手なら、アクセサリーや限定コフレを渡すのがベターだけど、男子宛のは本当になにを選べばいいのかさっぱりだ。
不意に、初デートのときのことを思い出す。私にネックレスを贈ってくれた渚。ひょっとするとあのときの彼も、こんな風に悩んだのだろうか。
沢山の種類の装飾品の中からどれを選ぶべきなのか迷ったり、値段を見て頭を抱えたり、他の女性客の視線に居心地の悪さを感じたり……。
渚の格好いいところしか知らない私だけど、意外と不器用なところもあるのかな。
「今度の週末に買いに行こうっと……」
なにか言った? と恵理ちゃんに問いかけられたので、独り言だと誤魔化した。
「いや行くよ? 行くけどさ、言い方地味に酷くね?」
「気のせい気のせい。プレゼント交換するって言ってたから、忘れないでちゃんと持って来てよね。もし家に置き忘れでもしたら、その場で追い返してやるから」
「お、おぅ……」
夫婦漫才のように繰り広げられる会話を右から左に聞き流しながら、頭の中では全く別のことを考えていた。
渚へのクリスマスプレゼント、なににしよう。
今まで彼氏というものに無縁だった私は、男子にプレゼントを贈ったことなんてない。これがもし女子相手なら、アクセサリーや限定コフレを渡すのがベターだけど、男子宛のは本当になにを選べばいいのかさっぱりだ。
不意に、初デートのときのことを思い出す。私にネックレスを贈ってくれた渚。ひょっとするとあのときの彼も、こんな風に悩んだのだろうか。
沢山の種類の装飾品の中からどれを選ぶべきなのか迷ったり、値段を見て頭を抱えたり、他の女性客の視線に居心地の悪さを感じたり……。
渚の格好いいところしか知らない私だけど、意外と不器用なところもあるのかな。
「今度の週末に買いに行こうっと……」
なにか言った? と恵理ちゃんに問いかけられたので、独り言だと誤魔化した。

