久遠の果てで、あの約束を。

昼食を取ってから校内に戻ると。午前中よりも人が増えていた。


ハロウィンに染められた賑やかな廊下を、人混みに流されないように注意して歩く。



「次、何処行きたい?」

「うーん。今まで行ったことなかったから、お化け屋敷行きたい」

「却下」


即答。そんなに悪い案じゃないのに。


「どうして?」

「お化け屋敷は、うちのクラスで充分じゃん」

「そんなの理由になってないし。自分のクラスでやるのとほかのクラスのに行くのとは全然違うじゃん」

「とにかく、お化け屋敷だけは絶対行かないからね」

「だからなんで」


何故こんなにも頑なにお化け屋敷を拒むのか。思い当たる節がひとつだけあった。



「もしかして……、怖いの?」



ぎくりと効果音が聞こえてきそうなほどわかりやすく、渚の肩が跳ねた。


「別に、怖い訳じゃないし」

見事なまでの棒読みで、数秒後に否定される。


「本当に? 強がらなくてもいいんだよ?」

「本当だって! って、なにその哀れみの目!?」

「いやー、渚にも苦手なものがあるんだなって」

「だから怖くないってば!」

「え、そうなの? なーんだ。じゃあ、お化け屋敷くらい入っても大丈夫だよね? ね、渚くん?」

「もうやだ……。なにこの人……」