久遠の果てで、あの約束を。

ソースや揚げ物の美味しそうな匂いが漂う、様々な模擬店が立ち並んでいる中庭。歩いているだけで、空っぽのお腹が刺激される。

私も一応は年頃の乙女だし、渚の前でお腹が鳴ってしまったら恥ずかしいのでそうそうに腹ごしらえをしてしまいたいのだが、最初に連れてこられたのは何故か、タピオカドリンクの屋台だった。


「俺、ジンジャーソイミルクで。優希は?」

「えっと。じゃあ、ブルーベリースムージーで」

エプロンを着用した先輩らしき人からプラスチック製のカップを受け取る。淡い濁った紫の底に、黒っぽいぶつぶつが沈んでいる。


「というか、なんでタピオカ?」

もう正午を回っているから、もっとお腹に溜まるものを買うかと思ってたのに。


「だって、タピオカ美味しいじゃん」

「もう流行とっくに過ぎたよね?」

「流行ってても流行ってなくても、美味しいものは美味しいんだよ」

「それはまぁ、そうだけど。そういえば私、今までタピったことないかも」

「え、嘘でしょ」

「いや本当だけど」

「信じらんない。こんなに美味しいのに」


人生損してるよと、露骨に引いた顔で呟かれる。