久遠の果てで、あの約束を。

「その……、さっきは、助けてくれてありがとう。……あのさっ、もう手遅れかもしれないけど、話したいことがあるの」



言えた。やっと言えた。


掴んで巻いた手を離して、唇を噛んで俯いた。


これでだめだったらどうしよう。

相手にされなかったらどうしよう。


不安に押し潰されそうになりながらも、恐る恐る渚を見上げる。

渚は驚いたような顔をして、泣き笑いみたいに微笑んだ。


「遅いよ。ずっと待ってたのに」


でも俺も意地張ってたしお互い様かと、午後の当番の男子に白衣を手渡してから、そっと私の手を取った。

まだ温かい渚の手。優しいこの手に触れるのは、随分と久しぶりのような気がする。


「俺も話したいことが沢山ある。けど、その前にさ」


私の手を引っ張って、晴れやかな顔でこう言った。



「文化祭、一緒に回ろう?」