久遠の果てで、あの約束を。

「あー疲れた。てかさ、カニバリズムに目覚めたサイコパスな医者って設定なのに、なんでチェンソー持ってお客さん追いかけないといけない訳? 医者といえばメスじゃない?」

「まぁ気持ちはわかるけど、暗いからメスにするとよく見えなくて迫力不足になるんだろ。仕方ねえよ」

「それはそうなんだけどさぁ……。って、何あれ。ちょっと待ってて」


言うや否や、私の腕を掴む手が何者かに振り払われる。ザワザワと観衆がよどめいた。


「後がつかえてるんで、用が済んだらならさっさと帰ってくれますか?」

もう一度私を助けてくれたのは、紛れもなく渚だった。


制服の上から血糊のついた白衣を着ているからか、それともただ単ににこにこしている顔に反して目が一ミリも笑っていないからか、迫力がえげつないことになっている。

しかし流石は複数犯と言うべきか、多少怯みはしてもそう簡単には引き下がらない。


「今この子と話してるんだから、お前に関係なくない? なに、この子の彼氏?」

「だったらなんです?」


バチバチと視線の先で火花が散って、飛んでくる火の粉と視線がいたたまれない。