*
「佐倉さん、春香ちゃんと佑くんの採血、お願いしていい?」
「はい!分かりました」
あれから五年後。私は猛勉強の末、看護師になるという夢を叶えた。大変なことは多いけど、小児科の子供たちの笑顔を見ていると、疲れなんて一瞬で吹き飛んでしまう。
採血をするために、病室に向かうと、春香ちゃんと佑くんが嬉しそうに出迎えてくれた。
「美波さん、どうしたの?」
「採血しに来たの。さて、どっちからやる?」
「僕怖いよ。春香ちゃんが先にやって」
「はいはい。じゃあ、美波さんお願い」
「任せて」
高校生の春香ちゃんと小学生の佑くんはまるで姉弟のように仲が良い。だから、佑くんはいつも春香ちゃんの後ろについている。
「美波さん」
「ん?」
「美波さんはさ、好きな人っている?」
あまりにも急な質問でびっくりしてしまった。・・・好きな人か。
「・・・いたよ。ちょうど春香ちゃんくらいの時かな」
「いたって・・・」
「うん、死んじゃったんだ。病気で」
「あ、ごめんなさい・・・」
「ううん、いいの。私にとっては良い思い出だから」
「そ、そうなんだ」
春香ちゃんの採血を終え、佑くんの採血を始める。最初は怖がっていたが、春香ちゃんのフォローもあって、何とか無事に終えることが出来た。病室を出るときに、春香ちゃんに呼び止められた。
「美波さんが好きだった人、天国で笑ってるといいね」
「・・・うん、そうだね」
笑顔で言葉を返す。・・・笑ってるのかな、蒼。
ナースステーションに戻ると、見覚えのある人が立っていた。
「え、もしかして・・・美桜?」
「あ、美波?久しぶりー!」
「うん、久しぶりだね。今日はどうしたの?」
「あ、先月から入院してる立川佑って分かる?その子のお見舞いに来たの。やっと仕事に一区切りついて」
「え、佑くん?今私採血してきたよ。えっと、佑くんって美桜の・・・?」
「甥っ子。お兄ちゃんの息子なの」
「そうなんだ」
「うん。まさか美波に会えるとは。じゃあ、私そろそろ行くね。仕事、頑張って」
「ありがとう」
佑くんって美桜の甥っ子だったんだ・・・。いま思えば何となく似てるかも・・・。
その日は午後勤務だったので夜九時くらいに家に帰った。明日は休みを取ってある。明日のために今日は早く寝よう。お風呂に入っている時、今日春香ちゃんに聞かれたことを思い出した。
明日は六月十八日。蒼の、命日だ。
「佐倉さん、春香ちゃんと佑くんの採血、お願いしていい?」
「はい!分かりました」
あれから五年後。私は猛勉強の末、看護師になるという夢を叶えた。大変なことは多いけど、小児科の子供たちの笑顔を見ていると、疲れなんて一瞬で吹き飛んでしまう。
採血をするために、病室に向かうと、春香ちゃんと佑くんが嬉しそうに出迎えてくれた。
「美波さん、どうしたの?」
「採血しに来たの。さて、どっちからやる?」
「僕怖いよ。春香ちゃんが先にやって」
「はいはい。じゃあ、美波さんお願い」
「任せて」
高校生の春香ちゃんと小学生の佑くんはまるで姉弟のように仲が良い。だから、佑くんはいつも春香ちゃんの後ろについている。
「美波さん」
「ん?」
「美波さんはさ、好きな人っている?」
あまりにも急な質問でびっくりしてしまった。・・・好きな人か。
「・・・いたよ。ちょうど春香ちゃんくらいの時かな」
「いたって・・・」
「うん、死んじゃったんだ。病気で」
「あ、ごめんなさい・・・」
「ううん、いいの。私にとっては良い思い出だから」
「そ、そうなんだ」
春香ちゃんの採血を終え、佑くんの採血を始める。最初は怖がっていたが、春香ちゃんのフォローもあって、何とか無事に終えることが出来た。病室を出るときに、春香ちゃんに呼び止められた。
「美波さんが好きだった人、天国で笑ってるといいね」
「・・・うん、そうだね」
笑顔で言葉を返す。・・・笑ってるのかな、蒼。
ナースステーションに戻ると、見覚えのある人が立っていた。
「え、もしかして・・・美桜?」
「あ、美波?久しぶりー!」
「うん、久しぶりだね。今日はどうしたの?」
「あ、先月から入院してる立川佑って分かる?その子のお見舞いに来たの。やっと仕事に一区切りついて」
「え、佑くん?今私採血してきたよ。えっと、佑くんって美桜の・・・?」
「甥っ子。お兄ちゃんの息子なの」
「そうなんだ」
「うん。まさか美波に会えるとは。じゃあ、私そろそろ行くね。仕事、頑張って」
「ありがとう」
佑くんって美桜の甥っ子だったんだ・・・。いま思えば何となく似てるかも・・・。
その日は午後勤務だったので夜九時くらいに家に帰った。明日は休みを取ってある。明日のために今日は早く寝よう。お風呂に入っている時、今日春香ちゃんに聞かれたことを思い出した。
明日は六月十八日。蒼の、命日だ。
