明日もきみが心から笑えますように

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 十二月二十五日、クリスマスの夜。
 「メリークリスマス!そして美波おめでとー!はい、かんぱーい!!」
 いま、私たちは相原くんの家に集まっている。私と蒼が付き合うことになったことを報告したら、莉子が皆でお祝いしようと提案し、相原くんが実はお家がお金持ちで何人入っても大丈夫ということなので(これは莉子も知らなかったらしく、びっくりしていた)ここでやることになったのだ。
 「いやー美波の初カレがまさかあの山本とはねー。よくやった、美波!きっと何十人と付き合
ってきてる山本をゲットするなんて」
 「あれ、俺何十人と付き合ってきたなんか言ったことあるっけ?」
 「え、もしかしてもっと?百人越え?」
 「はは、そうじゃなくて俺、美波が初めての彼女だよ」
 「「「・・・えっ!?」」」
 「そ、そんなに驚かなくても。なぁ、匠海」
 「え?匠海知ってたの?」
 「うん。蒼はモテるけど、自分から好きになったのは佐倉さんが初めてじゃないかな」
 「マジなんだ・・・。じゃあ、初々しいカップルってことだね」
 「で、でも蒼くん、そのわりにはこなれ感が出てるような気がするんだけど」
 「それは私も思った。蒼、何で?」
 「何でだろ・・・。あ、姉ちゃんたちにモテる男の仕草みたいなのを叩き込まれたからかなぁ」
 「え、蒼ってお姉さんいるの!?」
 「うん、二人」
 「へぇー。きっと美形なんだろうね、うん。匠海は見たことあるの?」
 「うん。蒼に似てるよ」
 「てことはやっぱり可愛いのかな、蒼くんのお姉さんたちは」
 「そんな事ないって。怒ると怖いよ、鬼だよ鬼」
 そんなこと言いつつも楽しそう。きっといいお姉さんたちなんだろうな。
 「・・・会ってみたいな」
 「あ、ほんと?じゃあ今度ウチ来てよ」
 「え、早速家デート?さすが山本」
 莉子は何でもかんでもすぐそういうことに結びつけるよなぁ。でも家ってちょっと緊張しちゃう。楽しみだなぁ。あ、何か作って持っていこうかな。さすがに手ぶらは失礼な気がするし。
 「蒼、お姉さんたち、何か好きな食べ物とかある?お家いくなら作っていこうと思って」
 「ウチは皆カップケーキが好きかな。でも無理しなくて良いよ」
 カップケーキか・・・。確かに難しそうだけどここは頑張んなきゃ。お菓子作りは得意なほうだし、きっと大丈夫だよね。
 「はーい、そこだけで会話しなーい。それではお待ちかねのプレゼント交換でーす!」
 莉子が間に入ってきたので思わず笑ってしまう。そんな事は気にしない様子で莉子が交換を始めたので慌ててバッグからラッピングされたプレゼントを取り出す。
 「はい、美波。」
 「あ、これも受け取って!」
 「ありがとう、莉子と美桜。はい、これ私から」
 「「ありがとー!」」
 良かった、喜んでくれて。さて、蒼にも・・・。
 「蒼、これ私からの・・・」
 「あ、美波。俺らは後で」
 「え?」
 「お願い、後で渡して?」
 「う、うん・・・?」
 可愛く小首をかしげて言ってきたからつい「うん」って言っちゃったけど何で後で渡すんだろう?私は今でも良いのに・・・。