明日もきみが心から笑えますように

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 「はい、二人ともできた!」
 「ほんと?あ、え、可愛い!凄いよ美波」
 「ありがとう、美波」
 「どういたしまして」
 祭り当日。予定していた通り美桜の部屋で莉子と美桜の髪の毛をやってあげた。練習したかいもあって、かなりの上出来だ。
 「あ、もう私行かなきゃ。じゃあ、美桜頑張って」
 「うん、頑張る!」
 莉子が出て行った後、私も片付けをして帰る準備をした。ほんとはお祭り行きたかったけど、とてもじゃないけど一人で行く気にはなれない。だから今日は、部屋でゆっくり過ごそうと決めていた。
 「じゃあ私も帰るね」
 「あ、美波。こんなこと言うのもなんだけど、良かったら一緒についてきてくれない?」
 「三人でまわるってこと?」
 「う、うん。良く考えたらいきなり二人とか無理だし」
 「うーん、まぁ予定ないからいいよ。じゃあちょっと準備してくるから、待ってて」
 「ありがとう!」
 美桜が言っていた時間まであと少し。急がないと。それにしても、まさか三人でまわることになるとは思わなかった。でもずっと一緒にいるわけにはいかない。美桜は今日、蒼に告白するのだ。だから、美桜が告白する前にいなくなって、二人にしてあげようと考えていた。
ちくり。また胸の奥が痛くなる。きゅうっと締め付けられるような感覚だ。ほんとに何なのこれ・・・?なんかの病気?そんなことを考えつつ、家に着いた私はお財布とバックを持って家を飛び出た。
 「あれ?美波が何でいるの?」
 「ごめん、蒼。美桜にお願いしてついてきたの」
 「ごめんね、勝手に」
 「大丈夫。人数多い方が楽しいでしょ」
 「あ、蒼。美桜の浴衣、どう?」
 「え?似合ってるじゃん、いつもとなんか違うし」
 「あ、ありがとう。髪の毛は美波がやってくれたの」
 「そうなの?やるなぁ、美波」
 「そうだよね、美波。ほんとにありがとう」
 お、何か良い感じ?いいぞ、このまま行けばきっと。髪の毛頑張って良かったなー。美桜も喜んでるし。
 「何食べる?俺、焼きそば食べたい」
 「わ、私も焼きそば食べたいなー。美波は?」
 「え?あ、私も焼きそばで良いよ。」
 「じゃあ買いに行くか」
 あ、私が買いに行って、一パックだけ焼きそばで二人に食べさせてよう。私は適当になんか買って食べよう。我ながらなかなか良い提案じゃない?
 「二人とも、私が買ってくるから座って待ってて」
 「え、でも・・・」
 「いいから。美桜、浴衣で大変でしょ?だからって一人にするわけにもいかないし。ね、蒼よろしく」
 「はーい。じゃあ立川、座って待ってよ」
 「う、うん」
 上手くいくと良いなぁ。美桜、可愛いし。さて、何を買おうかな・・・。あ、このクレープ美味しそう!買っちゃお。でも先に焼きそば買わないとダメか。どうせなら美味しそうで安いとこが良いな・・・。あそこの屋台良さそう。ちょっと遠いけど二人のためだ。頑張ろう。
 「すみません、焼きそば一パック下さい!」
 「はいよ。四百二十円ね」
 「ありがとうございまーす」
 んー、良い匂い。食べたいけど我慢、我慢。そうだ、美桜が告白するときに買って食べよ。それよりも早くクレープ買わなきゃ。二人が待ってる。