早朝。

まだ日も昇らぬうちに、ミーアは目を覚ました。

音が聞こえたからだ。

…よく聞き慣れた音。

鎚が、焼けた鉄を叩く音。

タッカーが剣を鍛える音だった。

彼女はゆっくりと一階に降りる。

…赤々と炉の炎が照らし出す中、タッカーは一心不乱に剣を、鎧を鍛えていた。

集中力が乱れる事はない。

脇目もふらずに、ひたすらにタッカーは鎚を振り下ろし続ける。