タッカーとミーアが一つ屋根の下に暮らすようになって一月が経過した。

相変わらずタッカーの店は繁盛している。

「……」

その様子を、ミーアは浮かない顔で眺めていた。

…買い物に出た先で、噂を耳にした。

大陸の西方から、『帝国』という軍事国家が攻めて来るという。

帝国は、この女神国を含めた東方の国々を支配すべく、侵略戦争を仕掛けてくるのだそうだ。

…また大きな戦争が始まる。

戦になれば、きっとタッカーは今以上に忙しくなるだろう。

多くの剣や鎧をタッカーが作り、その剣や鎧を兵士が使う。

そして、その兵士が人を殺す…。

間接的とはいえ、タッカーは人殺しの片棒を担いでいる。





ミーアは、それが辛かった。