「新海の彼女って、どんな人？」


「写メあるけど見る？」


新海の意外すぎる言葉に驚いて、そう言った新海へと、思わずアタシは向き直る。


「減るから見せないんじゃなかったの？」


「北川にだけ特別」


新海は何気なく言いながら、スマホをアタシに渡そうとする。


きっとその言葉に深い意味なんてない。


だけど、その一言が心に大きく引っかかって、アタシは携帯を受け取る手を止めて訊いていた。


「どうして？　アタシにだけ？」


「北川ってさ、女特有の噂話ってヤツ？　しなそうだし。かと言って、思ってもない過剰なお世辞も言わなそうだし？」


新海は複雑な顔つきのアタシをからかう様に笑うと、再びアタシへスマホを差し出す。


アタシは躊躇いながらもそれを受け取り、画面に映し出された新海の彼女を見つめた。