37℃のグラビティ

会場がカラオケボックスということもあって、お題付きカラオケリレーなるものが始まった。


歌を歌う人はまず、お題ボックスという箱の中から手探りでお題が書かれた紙を選び、その書かれたお題に沿って選曲して歌い、次の人を強制指名するってやつ。


トップバッターは満場一致で、文化祭実行委員の西山くんって事になり、始まったカラオケリレー。


西山くんが引いたのは「懐かしい曲」というお題。


アタシ達が小学生の時に流行ってたバラエティ番組のヒット曲を歌って、場を大いに沸かせた。


そこで場が一気に盛り上がって、次々にリレーされ、飛び出すお題。


「思い出の曲」とか「自分のテーマソング」とか「失恋した時に聴いた曲」とか……


アタシはひたすら、自分に指名がこない事を祈ってた。


カラオケは嫌いじゃないけど、いきなりみんなの前で歌うのは、恥ずかしすぎる。


「じゃあ、次はアーヤ」


歌い終わった女子が、アーヤを指名して……


アタシはまるで自分が指名されたみたいな緊張感に襲われた。