「茉莉!?大丈──…あっ」
何事かと振り返った菜々子ちゃんは私の所に駆け付けようとした時だった───
「遠藤さん、大丈夫?」
心配そうな顔をした悠里くんが手を差し伸べてくれている。
「…あ、ありがと」
頬が熱くなるのを感じ、俯きながら彼の手を掴む。
立ち上がらせてもらったはいいものの顔を見ることが出来ず、目が泳いでしまう。
「あのさ、遠藤さん」
「は、はい」
名前を呼ばれ顔を上げる。
「これ、俺の名前書いてあるんだけど…」
悠里くんが手に持っている綺麗にラッピングされたチョコレート。
私が作ったチョコだ。
「…もしかして、"俺宛て"?」
悠里くんがそう言って見えやすいように私の方へ近づけてくれる。
針金で止めてあるその真下には『悠里くん』と手書きで書かれた可愛らしい付箋が貼ってあった。
お洒落な雑貨屋さんで買った付箋だ。
私は今この世の終わりのような顔をしているだろう。
何事かと振り返った菜々子ちゃんは私の所に駆け付けようとした時だった───
「遠藤さん、大丈夫?」
心配そうな顔をした悠里くんが手を差し伸べてくれている。
「…あ、ありがと」
頬が熱くなるのを感じ、俯きながら彼の手を掴む。
立ち上がらせてもらったはいいものの顔を見ることが出来ず、目が泳いでしまう。
「あのさ、遠藤さん」
「は、はい」
名前を呼ばれ顔を上げる。
「これ、俺の名前書いてあるんだけど…」
悠里くんが手に持っている綺麗にラッピングされたチョコレート。
私が作ったチョコだ。
「…もしかして、"俺宛て"?」
悠里くんがそう言って見えやすいように私の方へ近づけてくれる。
針金で止めてあるその真下には『悠里くん』と手書きで書かれた可愛らしい付箋が貼ってあった。
お洒落な雑貨屋さんで買った付箋だ。
私は今この世の終わりのような顔をしているだろう。


