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結局渡せないまま放課後になってしまった…
誰もいなくなった教室で1人ぼんやりと天井を眺める。
友達からは「まだ渡してないの!?今年は渡すって決めたんでしょ?」と説教された。
昇降口に着き、ため息をつきながらスリッパからローファーに履き替える。
「あ、遠藤さん!」
聞き覚えのある声の主に名前を呼ばれ、ビクッと身体が反応する。
「今から帰るの?」
「…あ、うん。悠里くんは部活?」
「うん!…って言っても今日日直だったから途中参加なんだよね」
「あはは」と笑って頭を掻く悠里くん。
視線を下に移すと両手に紙袋を下げている。
もしかして今、チョコ渡せる…?
でもチョコと同時に告白をしてもいいのかな…
これから部活なのに何で今告白するんだって思うんじゃ…
「じゃあ、俺行くね!また明日ね!」
「えっ…あ、うん…」
行ってしまわれた…
…今年も渡せなかった。
ほんと何してるんだろ、私。
自己嫌悪に陥った私は盛大なため息をつき、がくりと肩を落としながら学校を後にした。
結局渡せないまま放課後になってしまった…
誰もいなくなった教室で1人ぼんやりと天井を眺める。
友達からは「まだ渡してないの!?今年は渡すって決めたんでしょ?」と説教された。
昇降口に着き、ため息をつきながらスリッパからローファーに履き替える。
「あ、遠藤さん!」
聞き覚えのある声の主に名前を呼ばれ、ビクッと身体が反応する。
「今から帰るの?」
「…あ、うん。悠里くんは部活?」
「うん!…って言っても今日日直だったから途中参加なんだよね」
「あはは」と笑って頭を掻く悠里くん。
視線を下に移すと両手に紙袋を下げている。
もしかして今、チョコ渡せる…?
でもチョコと同時に告白をしてもいいのかな…
これから部活なのに何で今告白するんだって思うんじゃ…
「じゃあ、俺行くね!また明日ね!」
「えっ…あ、うん…」
行ってしまわれた…
…今年も渡せなかった。
ほんと何してるんだろ、私。
自己嫌悪に陥った私は盛大なため息をつき、がくりと肩を落としながら学校を後にした。