たくさんの好きをキミに

あれ、私一体何を言って──…


恐る恐る顔を上げる。
すると悠里くんが目を見開きながら頬を赤らめていた。


「何で、悠里くんが赤く……」

「えっと、ごめん!まさか遠藤さんから"好き"って言葉が聞こえて嬉しくて…その……」

「嬉しいって…何が…」

お互い赤面し合い、どこか気まずい空気が流れる。


「…お、俺も遠藤さんが好きだよ」

「…!?"俺も"って…私しっかり悠里くんに気持ち伝えてないよ?」

「うん、だから遠藤さんも言って」

悠里くんは優しい手つきで私の両手を握る。


「ゔ…ゆ、悠里くんが好き…です…」

「俺も好き」

そう言った時の悠里くんの笑顔がとても眩しくて、胸の奥がじんわりと熱くなった。




キーンコーンカーンコーン


予鈴の音が鳴り、私たちはハッとする。



「1限目サボっちゃおっか」

悠里くんはいたずらな笑みを浮かべ、立ち上がらせてくれる。