なぜか奴はそのまま停止する。不可解な行動に首を傾げると、何事もなかったかのように奴は口を開いた。

「…で、あってるだろ?」

「…まぁ。ってか、なんで私の名前知ってるの?怖いんだけど」

「なんでって…そりゃ、同じクラスだから自己紹介してただろ?もう忘れたのか?」

あー…だから、あの時教室にいたのか…

点と点の謎が解けて繋がりようやく線となる。

「…おまー…く、栗原は他人に興味無さすぎだろ。そんなんだと、いつか損すんぞ」

別にどうでもいい。心の中でそう返事をいておく。

「…っていうか、なんでいきなり呼び方変えたの?どさくさに紛れないでくれる?」