ま、本当は窓からあんたが10分前に着いたの見てたんだけど私がそれに合わせてわざわざ早く行く必要はなかったしね。

「遅れて登場のうえに、嫌味って…。まぁ、いいか。で、なんなんだよ?」

はぁ…とため息をついてから、頭をくしゃっとかいた奴は、こちらに視線を向けた。

いぬかれたような視線につい身構える。

大丈夫…。奴との距離は以外とあるから…。

安心させるように自己暗示をし心臓を落ち着かせてから、私は口を開いた。

「…初対面なのに礼儀を知らないわけ?初対面の相手には敬語使うのがマナーでしょうが?あの日の夜もいきなり現れたと思えば、好き勝手言いやがってあんた何様?」

「何様でもねーよ。つーか、お前こそ何様?」