「もうこれ以上、みんなを傷付けさせません!」

僕がそう言うと、オズワルドさんは「面白い。ならやってみろ」と笑いながら僕にまた魔法を放った。



僕とオズワルドさん、互いの魔法や武器がぶつかり合い続けてもう何十分経ったんだろう?

ボロボロになったみんなはメルキュールが回復させていて、今は僕とオズワルドさん一対一の対決となっている。

「せっかくお前の好きな暗い物語にしてやったのに、その目は何だ?」

オズワルドさんが振り下ろした剣を受け止める。重い。全身で受け止めないと支えられない……。それでも、僕はオズワルドさんを睨み付ける。

「僕は、もう太宰修也じゃない。ノワールと太宰修也は別人なんだ!僕は……ノワールは……愛されて必要とされている。だから、みんなに希望を届けたい!希望のある物語を描きたいんだ!」

僕はそう言い、オズワルドさんの足に向かって魔法を放つ。オズワルドさんは避けようとしたけど、少し掠った。ズボンが破れ、血が滲んでいく。