そう思いながら、モノクロの世界を歩いていく。一年前、本の世界に入った時には必ず物の怪がいた。しかし、この本からは物の怪の気配を感じない。それが救いだ。
「リオン?エリカ?メルキュール?カズ?シャルロット?」
暗い気持ちのせいで、大きな声を出せない。小さな声はすぐに消えていってしまう。小さな声、モノクロの街、今朝見た夢、これらが僕の心を抉るのに時間はかからなかった。
もう何もしたくなくて、その場に座り込む。泣きたいけど、もう涙は枯れてしまったようで出てこない。それならば、僕がすべきことは一つ。
「もう楽になっちゃお」
リオンたちは見つからないし、周りにあるのは生きていると感じさせない暗い街だ。こんな場所を彷徨うくらいなら、もう死んだ方がいい。
オズワルドさんからもらったナイフを取り出し、刃を自身に向ける。これでようやく解放される。
前世でも、こうだった。自分から死んだ。そして、その時に思った。今度こそ幸せな人生を送りたいって……。
「リオン?エリカ?メルキュール?カズ?シャルロット?」
暗い気持ちのせいで、大きな声を出せない。小さな声はすぐに消えていってしまう。小さな声、モノクロの街、今朝見た夢、これらが僕の心を抉るのに時間はかからなかった。
もう何もしたくなくて、その場に座り込む。泣きたいけど、もう涙は枯れてしまったようで出てこない。それならば、僕がすべきことは一つ。
「もう楽になっちゃお」
リオンたちは見つからないし、周りにあるのは生きていると感じさせない暗い街だ。こんな場所を彷徨うくらいなら、もう死んだ方がいい。
オズワルドさんからもらったナイフを取り出し、刃を自身に向ける。これでようやく解放される。
前世でも、こうだった。自分から死んだ。そして、その時に思った。今度こそ幸せな人生を送りたいって……。


