組む、と言われて思い出すのは、小学校高学年から中学にかけてのこと。


奈央クンを外で見掛けるとき。そして、彼の周りでもめ事があったとき。いつも隣には、フードを深くかぶった男が寄り添っていた。


絆奈さんのように、将来はどこかのチームに所属するのかも、と案じていたのは事実。


でも実際は、たった2人で学区内外をのしていた。


「遊びたいだけじゃないって……てゆーか、鮎世には仲間がいるんでしょう?どうして奈央クンと、」

「俺は色んなとこを転々としてたんだ。奈央を見つけるために、ね」


あいつ、何も言わずにいなくなっちゃうんだもん。傷つくよ───


そう続けた鮎世の声は、少し掠れていて。今までのお茶らけた様子とは、一風違うように思えた。


本当に、真剣に、探してたんだ。


「とは言っても、今の奴らとは馬が合ってね。この学校への転入を機に集まりは減ったけど、ちゃんと会ってるよ」

「……え。もしかして、転校も……」

「うん。もう一度、奈央に近づくため」