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「おーっ、なんだ? 今日は仲良く揃って登校かぁー?」
「あっ、鮫島さん!おはようございます!」
猛スピードで階段を下りた先。クァッ、と伸びをしながら、普段は夜型の大将がヒラヒラ手を振っている。
そっか、今日は仕込みのパートさんがお休みの日か……と思い伏せながら、夏杏耶はカバンを背負い直した。
「いってきま〜す!」
「いってきます」
「おう、気をつけてなぁ!」
遅刻ギリギリ……ッ。
鮫島の声に背を押され、アスファルトを踏みしめる。これでも結構、焦ってる。……でも、
「奈央クン、今日いい天気だね……!」
2人で登校するのははじめてで、高揚が隠せないのも事実。
「前見ろ、転ぶぞ」
「ふふっ、いつも一緒に登校できたらいいのになぁ」
「それはやんねぇって言ったろ」
「……はぁい」
分厚い伊達メガネを拵えながら言う彼に、夏杏耶は渋々頷いた。



