「あれ……お目覚めが早いね、姫」
淡々とした口調が、不覚にも鳥肌を立てる。声ひとつとっても気味が悪い。
見据えた先に居たのは、前と同じく特攻服を纏ったミャオと、その取り巻き達。7、8人はいるだろうか。
「ここ、どこか分かる?」
「分かり……ま、せん」
「だよねー。別に黙っておく必要もないんだけどー……もし当てられたら、その手解いてあげてもいいよ」
左耳に偏ったピアスが、月明りを反射する。波打つように光るそれは、彼が歩みを進めるごとに夏杏耶の目を眩ませた。
「ここが、どこか……」
「そうそう、頑張ってー。チャンスは1度きりだからね」
輩を先導して、一室に踏み入れるミャオ。ゾロゾロと響く足音が、集中力を阻害する。
……そもそも、こんな状況でまともに考えられるわけがない。
「どこ……どこの、」
分かっていることと言えば、ただひとつ。この部屋は、美術室の様相を呈しているということ。



