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独特な刺激臭を覚え、重たい瞼を持ち上げる。冷たい床に横たわっていることが分かって、夏杏耶は瞬きを繰り返す。
「……い、ッ」
と、頬に鋭い痛みが走る。
すでに視線をあちこちに巡らせているはずなのに、一向にその痛みの正体は分からない。
「なに、コレ……」
身体を持ち上げるため床に手を突こうとしても、手は後ろ側で何かに縛られているらしく、動かない。
「……」
夏杏耶は脳にまで響く脈の音に冷や汗を併発させながら、ゆっくり深呼吸を済ませた。
数秒目を瞑って、もう一度開く。それを幾度か繰り返すと、少しずつ暗闇が薄れていく。
「教、室……?」
目を細めて視界を調整すると、大体の部屋の広さが分かってくる。
この床の感触はもちろん外ではないし、声が反響するようなところでもない。扉の配置を考えると、大体教室に近しいと分かる。
でも気になったのは、視界の先に見える〝イーゼル〟だった。



