【完】片手間にキスをしないで



てゆーか……あれ。海理くんとの手錠取れてる……!


「もしかして、美々たちも解いたの?!」

「うん。まぁ、ほとんど海理くんがね」


見上げられた海理は「そうでもないよ」と遠慮がちに微笑む。


同時に、手錠が外れていても繋がれている手元に、夏杏耶も同じく笑みを零した。


「カーヤちゃんと鮎世くんも図書館かぁ。何パターンかあるみたいだけど、静たちはどうだろうねー……」

「エレベーターで会ったけど、私たちとは違うかも……一緒には降りなかったし」

「え、会ったの?! どうだった?!」

「ど、どうって……」


あの2人がちゃんと話せているかどうかも、分からなかったよ。奈央クンは不機嫌だったし……。


「夏杏耶ちゃん、俺らもそろそろ行こっか」

「あ、うん……」


答えに戸惑った夏杏耶を見兼ね、鮎世は手錠をジャラッ、と引く。美々はその様に「ほう」と吐息を漏らした。