【完】片手間にキスをしないで



「でも、まだ解けてないんだよね?……どうして」

「んー……野生の勘」

「は?」

「って言いたいけど、ただの予測……消去法かな」

「消去法……」


眉を下げながら笑う横顔へ復唱し、巡らせる。


けど……私に解けるはずもなかった。


「えっ、と……図書館には人が少ないから……?」


だから、これはあてずっぽう。まさか鮎世が頷くなんて、思ってもいなかったわけで。


「はっ、え、ホントにっ?」


夏杏耶は動揺のあまり、彼の腕をギュッと掴んだ。


「……うん、本当。あと近いね、夏杏耶ちゃん」

「ご、ごめん」


本当、鈍感で困るよ───


そう聴こえたのは気のせいだったのか。


一瞬そっぽを向いて放たれた彼の言葉は籠り気味で、確証はもてなかった。


「外部の人間も制限なく入れる場所、かつ人が少ない場所……消去法で絞ったら、図書館が濃厚かなーって」