【完】片手間にキスをしないで



痛い……痛いけど、超ラッキー。こんなところで奈央クンに会えるなんて……!(静とはまだ手錠されてるけれど)(うらやましい……!)


「夏杏耶ちゃん、平気?」

「うん、平気……ごめん、鮎世も引っ張っちゃって」

「いや、俺はいいけど……てゆーか2人、まだ繋がれたままなんだ」


プククッ、と肩を揺らす隣人は、どうやら本調子を取り戻したようで。


「「あ?」」


眉を顰める男子2人を交互に見ながら、「お似合いだよ」とさらに煽った。


聡明だな、と見直していたけれど、やっぱり鮎世は阿呆なのかもしれない。


……2人の地雷を一気に踏み抜いてしまったのだから。


「お前らは……あと何問あんだよ」


とくに奈央のこめかみには、ピキッと太い筋が通っていて。ガンを飛ばしながら放たれる声に、思わず身を震わせた。


「さぁ……何問でしょう」

「焦らすな」

「ぷふっ、そんなに気になる?」