その声の主は私の父である。

「わかったー。今行くー。」

茶色の建物を後にして呼ばれた先へ向かった。

「きったな。なんか虫多そうだね。」

3階建ての宿舎のようなものがあった。
白い壁なはずなのにあちこち汚れていて
薄暗いイメージがあった。

「で?新しい家の方行かないの?」

「何言ってるの〜ここだよ〜」

母が笑いながらそう言ってくる。