20XX年4月1日
車に揺られながら名前も知らない土地をひたすらに眺めていた。

「あぁ。だるい。」

かれこれ2日は車に乗っている。
乗り物酔いはしない人間だが流石にきつい。
最悪のケースに至らないように上を見てみたり
口を固く閉じたり寝ようと必死だが無理だ。

「そもそも、引越しをする意味が分からない」

住み慣れた大好きな田舎を背に
ビルで覆われた都会を眺めた。

憧れていた都会とは違う。
_それだけは分かった。