『お父さん?お母さん?』

何度呼んでも返事しない両親を見て私確信した。

『……っ!  お父さん!!!!お母さん!!!!起きてよ!!!!前みたいに笑顔で涼香って呼んでよ!!!!お父さんとお母さんがいなくなるなんてやだよ!!!!』

そう叫んでも誰も返答しない。

それからは胸にぽっかり穴が空いたかのように毎日、ボー としている。

私は外に出て喧嘩することが多くなった。まぁただ認めたくなかったから。両親が死んだことによって親戚の誰が引き取るかで揉めあったけど、誰にも相手にされず、喧嘩をする毎日が続いた。喧嘩をするにつれて街ではこう呼ばれるように……哀楽(あいらく)と。瞳は闇に包まれているのに、喧嘩をしている時不意に笑うからそう呼ばれたらしい。

その時唯一血の繋がりがあったお姉ちゃんと一緒にいつも哀しみを分け合ってきた。お姉ちゃんも喧嘩にくれていて街では闇楽(やみらく)と呼ばれていた。瞳は闇に染まっていないのに、顔が闇に染まっている顔をしていて、哀楽と同じく、喧嘩をしている時不意に笑うからそう呼ばれている。