駅からの帰り道。
二人でトボトボ歩く。

桜の枝の先が赤くなってきてる。

半歩前を歩く理仁。

二人とも足取りが重い。

「あのさ」とその背中に声をかけた。

「理仁の未来にさ、私っている?」

理仁が斜め上を見上げる。
そこに何がいるの。

「いて欲しいな、とは思う」

そう言って私を見た。
なんか濁された気がする。

私も、いたいな、とは思ってるけど。

またすぐ会話がなくなった。