「女に興味がないんじゃないの、興味のある女が近くにいないだけなの」

「えっ?」

優那がまるでチョークをカンカンカン!と黒板に叩くかのように、箸で皿を鳴らした。

納得過ぎて言葉が出ない。

つまり、ずっと側にいるのに興味を持たれてないだけか。

空いた口が塞がらない。

そっか、理仁も言ってた。

AIか李さんか私しかいないって。

「ああ!」

思い出した。

突然の私の叫びに優那が首を傾げる。

「今日、胸見られたのに、『ミジンコにしか興味ない』って言われた」
「は?女として終わってんじゃん」

言葉は凶器だ。
「女として終わってんじゃん」がグッサリ胸に突き刺さる。

ですよね。
そういうことなんですよね。

分かってる、分かってる、分かってる。

「脈ないかな?」

肉野菜炒めが思ってたほど辛くなくて、それだけが今の私に優しい。

「だから言ってんじゃん」

優那も肉野菜炒めを取り皿に盛る。

「20代がミジンコで終わるよ、って」

優那の言うことはいつだって全て正しい。