自分にそんな性質があったことを潤は知った時、周りにいる友達と違うということにショックを受けてしまった。みんなが気にならないような物音、感情が、潤のストレスになってしまうからだ。それを理解してくれる人は少ないだろう。

マイナスなことばかりショックのあまり考えてしまう潤を見て、心療内科の先生は優しく言ってくれた。

「潤くん。潤くんはね、人の感情の変化に気付くことができるんだよ。それが出来る人は少ないと思う。だから、潤くんは人のことを考えられる素敵な大人になると思うな」

その言葉に潤は救われ、心理学という広くて深い世界に興味を持つようになった。そして、心理学を知れば知るほどその魅力に飲み込まれ、カウンセラーになりたいという夢を抱くようになったのだ。



学校の近くまで来ると、生徒たちがゾロゾロと登校してくるためとても賑やかだ。人にぶつからないように歩き、潤は三年生の教室へと向かう。

「潤、おはよう!」