そして、運命的な出会いから、二ヶ月が経過した頃。
すっかり彼女の虜になった僕は、今日も彼女のいる講義堂へと足を運ぶ。
「やぁ! 結! ランチなんて一緒にどうかな?」
彼女の名前は“有坂 結”。
僕より2つ下の20歳の日本人。大学2年であり、母の再婚した10年前からこちらで生活をしているらしい――
ちなみに、情報はこのふた月の間に、周囲から死にものぐるいで聞き出した情報だ。
「一郎さん⋯⋯ランチはいきませんよ。友達と約束をしているので」
今日はそうきたか。
「では、良かったらディナーは?!美味しい高級レストランがあって――」
「――行きません」
毎日のように彼女のもとを訪れランチやデートに誘っているが、このありさまだ。
ちなみに告白の返事は――
「――何度も言いますが、一郎さんとはお付き合いはできません。なので、すみませんが⋯⋯失礼します」



