残念御曹司の最初で最後の恋物語



「僕の方こそ、ありがとう。僕と出会ってくれて、そして僕と結婚してくれて、ありがとう」


『君と寄り添い、共に歩く』


あのとき――自然公園で告げたこの思いは、永遠に変わらないだろう。

これから増えていく家族を守り、慈しみ、そして君とともに生きていきたい。


「ずっと一緒にいよう」


これまでの時間を埋めるように、ともに過ごした初年。

今年も桜を共に見れることに顔をほころばせた翌年。

新たな命を授かり、幸福に満ちた三年目。

仕事の忙しさから、家族と過ごせない焦燥感に駆られた四年目。

そんな僕を、彼女が大きな愛と心で包んでくれた五年目。


そしてさらに月日は流れ―――

僕たちの思いは永遠に変わらないと実感した八年目⋯⋯。

もちろん。あれから二十年以上経過したが、僕の思いは変わっていない。