約束の日の1時間前。僕はすでに待ち合わせ場所である大学前を右往左往していた。
「――本当に、公園で散歩なんかで良かったんだろうか。やっぱり高級レストランとかのほうが――」
全くもって、落ち着かない。
けれど、それは最初のほんのわずかのうちだけで――
「すみません、おまたせして⋯⋯」
彼女の姿を目にした途端、心配していた気持ちは一気に霧散した。
とうとう、天使がお迎えにきなすったのかと思った。
「⋯⋯どうしました?」
「あぁ、いや、本当に来てくれるとは思わなくて⋯⋯固まってしまった。嬉しくて」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…