21時に消灯
夜の病院は怖い。早く退院したいなって2日目から思っていた。
ピロンっ
→時枝樹
樹くんからのメールだ。
はっとして携帯を取りすぐにメールを開いた。
さくらへ
連絡するのが遅くなってごめんな。
そして何より守る事が出来なくて本当にごめん。いや、ごめんですまないよな。言葉が見つからない。
俺、さくらに何もしてやれなかったよな。口だけ達者で、本当馬鹿だよな。
こんな俺だからさくらは俺の事も他の男の人と同じで身体が震えだすんだ。全部俺が弱くてさくらの信用を裏切ったからだ。
だからさくら恨んでくれてもいい。もう好きじゃないって言われても仕方がない事をした。
会えなくてもいい。声が聞けなくてもいい。お前が生きてさえいてくれればそれだけでいい。
この先俺はさくらのことを想っていてもいいか?
心の中でさくらを愛していてもいいか?
俺つよくなる
もっと強く、強くなるから。
さくらを愛しても良い男になりたい。
さくらを想って笑いたい。
さくらを愛する資格を取り戻す。
また会えたらいいな。
いつか会える日が来るって信じて頑張る。
まるでお別れのメールの様でポロポロ涙が止まらなかった。
今すぐ電話で声が聞きたいのに、好きだよって言いたいのに、なんで、なんでよ。
なんでこんな事になっちゃったんだろう。
なんでなんでがたくさん出てきて誰を恨んでるのかわからないくらい。
涙でぐちゃぐちゃだけど、どうしても声が聞きたい。
そう思い勇気を振り絞って樹くんへ電話をかけてみた。
プルルループルルルー
「さ、さくら?」
樹くんの声にますます涙が溢れてきた。
声にならない、掠れた音だけが樹には聞こえた。
「さくら。ごめんな。俺弱くて声もかけてやれなかった。」
樹も泣いていた。
ズズッと鼻を啜る音といつもより弱々しい声でわかった。
