「あっ起きたの、お嬢ちゃん。入間さん起きてますよ」
この世で1番会いたくない奴の足音がゆっくりと近づいてくる。
「やあ、さくら。久しぶりだね。ずいぶんと悪い子になっちゃって。僕のだっていう証拠が足りなかったかな」
ニヤッとあの気持ち悪い笑みを浮かばせ頭を撫でられる。
怖くて震えが止まらない。
言葉も出てこない。
「さあ、こっちにおいで」
手を引かれ無理やり立たされる。
本棚の部屋から隣の部屋へと移された。
そこには可愛らしい同い年くらいの女の子が1人、ベットの上で座っていた。
こちらを警戒しながら怯えた顔をしている。
「お友達だよ。なかよくしてね。」
それだけ言い残して入間は部屋を出て行った。
