意識がだんだんと戻ってくるのを感じながら頭の中はまだぼーっとしている。
うっすら目を開けると、薄暗く赤いライトがチラチラ見える。
「はっ」
思い出し、ビクッと身体を動かせばお腹に激痛が走った。
「うっ、、、。」
間違いなく去年連れてこられたあの部屋だ。
(こわい。。樹くん。怖いよ。)
なんとか見つからない様に樹くんに連絡を取ろうと物音を立てずポッケに手を入れ携帯を探すが、
(うそ、携帯がない。あの時どこにやったんだっけ。)
手元になければ連絡の取りようがない。
一瞬にして青ざめた。
終わった。そう思った。
周りを見渡してみると窓もなく一面本棚で囲われていた。
(どうしよう。怖いよ。樹くん。樹くん。)
頭の中で何度も樹くんを呼んだ。
しかし、その声は届くはずもなく
ガラガラガラ
