騎士(ナイト)に チェックメイト



「お疲れ様でした〜またね〜」


いつもの様にレッスンを終えて各々帰宅していく。
樹くんに電話をかけ5分後に表に来ると言っていたのに全然見当たらない。


(どうしたのかな?)


心配になりドアを開け近くを見渡す。




「さくらっ!戻れっっ!」


「はっ」


ドスッ



お腹に衝撃が走り苦しくて立てない。


「ゴホッゴホッゴホッ」


お腹を抱え地面に倒れ込んでしまった。



「くそッ!さくらっ!!」



樹くんの声がするのに私の視界は真っ白で何も見えない。




「僕の可愛いさくら。迎えに来たよ。お家へ帰ろう」


あの声が耳元で囁く様に聞こえた。



震えるよりも先に私は意識を失った。