目が覚めた時には薄暗く赤いライトがチラチラ光っている知らない部屋。
両腕をあの縄に縛られて床に横にされていた。
この部屋に誰かいる気配はない。
震える身体をなんとか制御しゆっくりと起き上がる。
ポケットには携帯。
音を立てぬ様にそーっとそーっと携帯を取り出す。
自由のきかない腕でどうにか取り出し、床に無造作に置かれたタオルの上に携帯を置いた。
お母さん
帰り道またあの男がいて
車で連れて行かれた
知らない部屋にい
ガラガラガラ
「はっ」
「おはよう。さくら。何してるのかな?」
またあの笑顔。
「いや、やだ、やめて。来ないで」
ガクガクと震え、もう私は死ぬんだと本当に心から思った。
ただ怖くて怖くて部屋の隅へと身を縮めるしかなかった。
