「今日バイト?」
「うん。5時9時」
「行くから安くして」
「2円くらいならね」
窓際に肘を置きストロベリードーナツを頬張る姿があまりにも違和感で思わず笑ってしまう。
「なんだよ」
「いや、ストロベリードーナツ似合わなすぎ」
「これが1番うまいの!食ったことある?」
「いや、ない」
「は?まぢ?
ほら、食ってみ?まぢうまいよ」
いたずら心に火がついてガブっと大きな口でドーナツにかぶりついた。
「あ、おまっ食い過ぎだよ」
「んふふふ〜おいひ〜」
「仕返し」
「あっ」
今まで私の手の中にあったカフェラテを、一気にゴクゴクと半分飲みほした。
「ちょっと!ジュースじゃないんだからゴクゴク飲まないでよ!」
「ドーナツにカフェラテ合うな」
「樹くんって弟気質だよね」
「は?おれ、長男だよ?弟いるのはおれ!」
「そうなの?なんか甘え上手じゃない?
年上の彼女いるとかでしょ?」
「いねぇよ。さくらが舐められすぎなんじゃない?」
「うざっ。」
生意気なのに何故か嫌じゃない。
そんな樹くんとの時間がむしろ楽しかった。
また制服のポケットで震えた携帯に気づかないくらいに夢中になっていた。
