樹side
「親父、俺総長になりたい」
1週間ぶりに会ったお父さんに樹は話を切り出した。
「ただ喧嘩が強いだけじゃなくて、周りをきちんと見れて冷静に判断が出来る様になりたい。たくさんの守る者がいたら今を変える事が出来るかもしれない。さくらみたいに前を向きたい。」
「総長っていうのはな、どんな時も人を愛し責任を持って歩かなければならない。総長の判断一つで命が亡くなる事だってあるんだ。たくさんの仲間をひとりひとり愛し、時には叱り、一緒に泣き、そして笑い、向かう先を先頭を切って切り開いて行かなければならない。それが例え困難な道でも。必ず先頭で背中を見せて歩くんだ。ブレたら下もブレる。その覚悟がお前にあるか?」
「うん、ある。さくらの為だけじゃない。俺自身の為に、なりたいんだ。」
樹の真っ直ぐな眼差しにお父さんは小さい頃を思い出した。
「おっきくなったらパパみたいになる」
「そうか!じゃあ樹は総長だな」
「もう、子供にやめてよ」
いつも笑顔があり笑い声が聞こえていた。
そっと美絵子の写真に目をやり
(大丈夫って言ったろ?)
そう話しかけた。
