騎士(ナイト)に チェックメイト



[樹くん、あんまり自分を責めないでね?樹くんが悪いんじゃない。樹くんから送られてきたメール読んで、最後のメールになるみたいで悲しかった。私の方が樹くんを愛する資格がない。もっと体も心も綺麗で可愛らしい女の子がきっといる。嫌われても仕方がない。最後になるならどうしても会いたかった。声が聞きたかった。だから電話したの。でも声が出ないから何も伝えられなくて。余計に心配かけて、ごめんね。私樹くんが今も好き。樹くんを恨んだことなんて一度もない。樹くんは怖くない。]



スケッチブックいっぱいに想いを綴った。

樹はゆっくりと何度も読み返した。



「さくら、ありがとう。さくらはもうちゃんと前を向いて歩いてるのに、俺は馬鹿みたいに後ろ向いてた。さくらを手放せばそれでさくらは幸せなんだって思い込んで、お前の気持ちなんて聞こうともしなかった。ごめん。さくらの体も心も汚くなんかない。初めてさくらを見た時から何も変わってない。自分を自分で傷つけないで。俺もさくらが好きだ。ずっとずっとさくらを想ってた。側にいる事ができるならこんな幸せな事ないよ。俺を見つけて、勇気を出して触れてくれて、ありがとう。」


一度も目を逸らさずいつもの樹くんでそう言ってくれた。


[これでも先輩ですから]

「うるせー」



ギュッと抱きしめ合い、お互いの温もりに存在にしばらく浸っていたくて、どちらとも離れずに身をゆだねあった。