「水神さん」
いつもの様にさくらのお見舞いに来た母はナースステーションで呼び止められた。
「さくらちゃん、彼氏さんなら大丈夫みたいですよ。さっき、裏庭で彼氏さんと会ったんです。着実に良くなってきていますよ。良かったですね」
「そうですか」
やっぱり樹くんはさくらの王子様なのね。
心の中であの時3人で食卓を囲んだ時の2人の幸せそうな笑顔がふと蘇った。
病室を除くと2人は寄り添いながらスケッチブックを使って会話をしていた。
その様子を見て微笑ましく思い、もう少し2人にさせてあげようと母はケーキを買いに病院を去った。
