さくらはその日からリハビリを開始した。
リハビリの人は若いお姉さんでとても優しかった。
あとは少しずつ部屋を出て色々な人と触れ合う機会を増やしてみた。
男の人はやっぱりダメで過呼吸になってしまう。
看護師さんは少しずつよと慰めてくれた。
でも樹くんに会う為頑張らなくちゃ。
入院生活5日目
今日も朝からリハビリをしていた。
いつものお姉さんではなく別の女の人が来てくれた。
「水神さん、今日臨時でリハビリ一緒にやらせてもらう近藤美里です。よろしくね。」
30代くらいの綺麗な人だった。
5歳の子供がいるらしく、私への接し方もとても丁寧だった。
「うん!今日はここまでにしましょう。もう少しで言葉がわかるようになるわよ。明日も頑張ろうね。毎日来てくれる彼氏さんにもあと少しで会えるわよ」
毎日来てくれる彼氏さん?
部屋を出て行こうとする近藤さんを急いで引き止めてスケッチブックに急いで書いた。
[毎日来てくれる彼氏さんって?]
「あ、ごめん。ダメだったかな?毎日水神さんに会えるかもって言って外のベンチに座っている男の子がいるのよ。背が高くてイケメンだったよ」
樹くんだ。
[今もいますか?]
「多分いると思うわよ。朝から5時までいつもいるから」
ずっといてくれてたんだ。
樹くん。ずっと側に。
[行ってもいいですか?]
「もし過呼吸になってしまったらすぐ対応出来る様に私も少し離れた所にいてもいいなら
行ってもいいわよ」
うんと頷いた。
お願い。
過呼吸ならないで。わたし。
大丈夫だよ。樹くんだもん。
大丈夫、大丈夫。
自分の体にそう何度も言い聞かせた。
髪の毛を整え、パジャマの上から白いカーディガンを羽織り緊張の面持ちで病室を出た。
