学校へと向かう道、私は唯一の親友である朱里に話しかけられた。

「おはよう!今日も眠そうだね!」
朱里はいつものように元気よく私に挨拶をし、そのまま一緒に登校した。


学校ではまた、いつも通り授業をし、いつも通り休み時間を過ごした。

3時間目が終わりお昼休みになると、朱里が突然話しかけてきた。

「あんり!聞いてよ!!この学校にある謎なんだけど、学校にもう1つの入口があるらしいの!!でもその入口、見た人も聞いた人もほとんど居ないらしいの。」

入口?登校してきている入口しか知らない。

「入口なんてしらないよ?それより朱里、ほとんど知らない情報なのに、朱里はどこで聞いたの?」

私はとっさに聞き返した。
「私はあの子に教えてもらったの!」

朱里はそう言いながら1人の生徒を指さした。
指の先を追うと、男子生徒がいた。

理人という名の生徒だ。
理人はいつも無口で、何を考えているのか分からない、いわゆる不思議キャラと言うやつだ。

学校の謎。
私は不思議と興味があった。
普段の生活では会話や人の行動に全くと言っていいほど無関心な私が、学校の謎というのに珍しく興味がある。

これは何かあると思い、恐る恐る理人に話しかけた。

「ねぇ、学校の入口がもう1つあるってほんと?」

そう聞くと理人はすぐに

「君は知らない方が良さそうだ。」

と言った。
意味がわからない。
朱里には話したのに?

朱里に聞いても教えてくれなかったから、理人に聞いたのに…??

私の頭の中はぼんやりとしてきた。
唯一の親友だと思っていた朱里にまで嫌気がさした。